2023年4月から義務化する安衛法の改正内容は?

前回いつ改正された内容が施行されるかご紹介しました。 今回は、「化学物質管理体制」「実施体制」「情報伝達」の主要な改正内容をご紹介します。

化学物質管理体制

化学物質管理体制では、ばく露濃度の低減措置、皮膚や目に障害を与える化学物質を扱う際の保護具使用、衛生委員会での付議事項の追加などが事業者に義務付けられました。

ばく露濃度の低減措置

2023年4月以降事業者は、労働者がリスクアセスメント対象物にばく露される程度を以下の方法などで最小限にとどめるように義務付けられます。

・代替物の使用
・発散源を密閉する設備や局所排気装置または全体回帰装置の設置、稼働
・作業方法の改善
・有効な呼吸用防護具の使用

※リスクアセスメント対象物とは、労働安全衛生法57条の3でリスクアセスメントの実施が義務付けられている危険・有害物質のことを指しています。
また、2024年4月以降「濃度基準値設定物質」に定められた一部物質のばく露程度は、基準値以下とするように義務付けられます。

保護具の使用

2023年4月以降、皮膚や目に障害を与えることが明らかな化学物質を製造または、取り扱う従業員に対して以下の障害等保護具の使用が義務づけられます。

・保護メガネ
・不浸透性の保護衣
・保護手袋
・履物など

※上記を除き健康障害を起こす可能性が否定できない化学物質の製造や取り扱う従業員に対して上記の保護具を使用させることが2023年4月以降努力義務とされます。

衛生委員会での付議事項の追加

衛生委員会の付議事項に4項目が追加されます。

・ばく露濃度の低減措置
・「濃度基準値設定物質」のばく露程度を基準値以下にするための措置
・リスクアセスメント対象物に関する健康診断
・「濃度基準値設定物質」について、基準値を超えてばく露した恐れのある従業に実施した健康診断

上記の内「ばく露濃度の低減措置」は、2023年4月から、それ以外は2024年4月から義務付けられます。

実施体制

実施体制では、リスクアセスメント対象物の製造や取り扱いなどを行う事業場ごとに化学物質管理者の選任などが義務付けられます。

化学物質管理者の選任

業種や規模を問わずにリスクアセスメント対象物の製造や取り扱い、譲渡、提供を行う事業場では、「化学物質管理者」の選任が2024年4月以降義務付けられます。

「化学物質管理者」とは、化学物質の管理業務を実施できる能力を有する者を指します。リスクアセスメント対象物の製造事業場では、12時間の専門的講習を修了した中から選任しなければいけません。 また、リスクアセスメント対象物の製造事業場以外の化学物質管理者は、専門的講習を修了している必要はありません。

保護具着用管理責任者の選任

2024年4月以降、「化学物質管理体制の見直し」において保護具の使用が義務付けられている事業場では、有効な保護具の選択や使用状況の管理などを適切に行うことのできる「保護具着用管理責任者」の選任が義務付けられます。

※保護具着用管理責任者については、化学物質管理者のような要件などは定められていません。

情報伝達

情報伝達では、安全データシート(SDS)における通知事項の定期的な確認や見直し、通知事項の拡充などが義務付けられます。

※安全データシート(SDS)とは、Safety Data Sheetの略語です。化学物質などを保護、提供する際にその化学物質の物理化学的性質や危険性、有害性、取り扱いに関する情報を相手方に提供するための文書です。

SDS情報の通知方法の柔軟化

これまで、SDS情報の通知方法は「文章の交付」か「相手方が承諾した方法」の2通りでした。2022年5月31日からは、相手の承諾を得なくても通知を容易に確認する方法であれば採用できるようになりました。

・文書の交付や時期、光ディスクなどの記録媒体
・FAXや電子メール
・通知事項が記載されたホームページアドレス、二次元コードなど

通知事項の定期確認と更新

2023年4月以降、SDSの通知事項である「人体に及ぼす作用」について5年に一度変更内容の有無を確認し、変更があるときは1年以内に更新するとともに相手方にも通知することが義務付けられます。

通知事項の拡充

2024年4月以降、SDSの通知事項に「想定される用途、使用上の注意」が追加されました。また、成分含有量の記載方法が現行の10%刻みから「重量パーセント」に変更します。
※「重量パーセント」の代わりに「重量パーセントへの換算方法」の記載でも大丈夫です。

まとめ

今回は、2023年4月から義務化する安衛法の改正内容をご紹介しました。
2024年4月以降、選任が義務付けられている「化学物質管理」への専門的講習はすでに加工しているようです。施行間近になると混みあったり満員になる可能性があるので早めに受講することをおすすめします。

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