スマホの部品もここで作られている！クリーンルームとは？

埃1つ許されない空間が、クリーンルームです。
精密機械を作る場所や医薬品、医療機器の開発、食品加工など様々な分野で使用されています。

クリーンルームとは？

クリーンルームは、空気中のホコリやチリ、微生物などが厳しく管理された部屋です。 目に見えない小さなゴミや菌まで取り除き、製品に付着するのを防ぐために使用されています。

クリーンルームの種類とクラス

種類

クリーンルームは、主に気流方式によって2種類に分類されます。

垂直層流方式
天井から床に向かって清浄な空気を吹き下ろし、微粒子を床に排出する方式。高精度な製造に適している。

側壁送風方式
壁面から清浄な空気を吹き出し、壁や天井から排出する方式。広い空間を効率的に清浄できる。

クラス

クリーンルームは必要な清浄度によって、JIS Z 8122でクラス1～9に分類されています。 1が最も清浄で、9が最も汚染されています。

クラス1～3
半導体製造、精密機器製造、無菌室培養など、極めて高い清浄度が要求される

クラス4～6
電子機器製造、医薬品・医療機器製造、食品加工など、一般的に高い清浄度が要求される

クラス7～8
精密機器製造、光学機器製造、航空宇宙機器製造など、比較的高い清浄度が要求される

クラス9
一般オフィス、事務室など、清浄度がそこまで要求されない

クリーンルームの仕組み

クリーンルームの清浄度を維持するためには、様々な仕組みが導入されています。代表的なものとしては、HEPAフィルターやプレフィルターによる空気清浄、精密な温度・湿度管理、室圧制御などがあります。

取り込んだ外気は、プレフィルターでホコリやチリなどの大粒子を乗り除きます。プレフィルターを通過した空気は、HEPAフィルターやULPAフィルターでさらに微粒子を取り除かれます。
浄化された空気は、ファンによって天井や壁の送風口から室内に送り込まれまれ、室内を一定方向に流れ、床の排気口から排出されます。
排気された空気は、HEPAフィルターやULPAフィルターで再び浄化され、場合によっては外部に排出されます。

クリーンルームの必要性

精密機器や医薬品、食品などは、微細な塵埃や微生物によって品質が劣化したり、汚染されたりすることがあります。
クリーンルームは、こうしたリスクを防ぐためにあるんですね。

クリーンルームの利用例

クリーンルームは、様々な分野で利用されています。

半導体製造

スマホやパソコンなどに使われている半導体もクリーンルームで作っています。
目に見えないほど小さい部品なので、ほこりや細菌がついてしまうとうまく動かなくなってしまいます。

医薬品・医療機器製造

薬や手術で使用する道具などもクリーンルームで作られます。
もし、薬や道具にほこりや細菌がついていたら…。病気になったり、悪化したりしちゃうかもしれません。

食品加工

私たちが食べているパンやお菓子、お肉、野菜にもクリーンルームを使うことがあります。

精密機器製造

カメラや顕微鏡、ロボットなどの精密機器もクリーンルームで作ります。これらの機器もとっても繊細なのでほこりや細菌で傷つくと壊れてしまいます。

実験・研究

新しい薬や医療機器の開発、病気の原因を探る研究など、人々の健康を守るための研究室でも使われます。実験結果に影響を与えてしまうホコリや菌を徹底的に排除する必要があります。

まとめ

クリーンルームは、NASAの宇宙船の組み立てにもクリーンルームが使われているんです。宇宙空間での微粒子の影響を最小限に抑えるために重要な役割を果たしています。
精密機器や薬などほこりが入るといけないモノで使われることが多いですね。
クリーンルームに入るときも体のごみやほこり、細菌など徹底的に落としてから入ります。自分がほこりなど持ち込んだらって考えると…怖いですね……。

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