有害物質から作業員を守る! 局所排気装置とは

工場や実験室で発生する有害な物質は、作業者の健康に重大なリスクをもたらします。これらのリスクを軽減するために、局所排気装置は必要不可欠な装置です。

局所排気装置は、発生源から直接有害物質を捕集し、屋外へ排出することで、作業者の呼吸域からこれらの物質を取り除きます。換気扇と異なり、室内の空気を入れ替えるのではなく、ピンポイントで効率的に有害物質を除去する点が特徴です。

構造と種類

局所排気装置は、主に以下の4つの部分で構成されています。

•フード: 有害物質を捕集するための開口部
•ダクト: 捕集した物質を運ぶ管
•排気ファン: 空気を吸い出すためのファン
•集塵装置: ダクト内に捕集された粉塵などを回収するための装置

これらの構成要素の組み合わせによって、さまざまな種類の局所排気装置が存在します。
代表的な種類としては、フードの種類による分類(スリット型、円筒型、テーブル型など)、設置場所による分類(天井設置型、壁設置型、卓上型など)、排気方式による分類(自然排気方式、強制排気方式など)があります。

選定と設置

局所排気装置は、作業内容、使用する材料、発生する有害な物質の種類、作業場所の環境などを考慮して選定する必要があります。
また、専門業者に設置を依頼し、定期的な点検や清掃を行うことが重要です。

法令

局所排気装置は、労働安全衛生法や特定化学物質障害予防規則などの法令で設置が義務付けられている場合があります。

対象となる物質

局所排気装置で扱う主な物質は以下の3つです。

•ガスや蒸気: 有機溶剤、酸、アルカリ、塩素ガス、二酸化炭素など
•粉じん: 金属粉、木材粉、石英粉、粉塵など
•ミスト: 油煙、水蒸気、塗料の霧など

これらの物質は、人体に悪影響を及ぼす可能性があり、頭痛、めまい、吐き気、呼吸困難、肺や気管支の病気などを引き起こす可能性があります。

不適切な運用の危険性

局所排気装置が不適切に運用されると、以下の健康被害が発生する可能性があります。

換気不足
有害物質が作業者の呼吸域に留まり、健康被害を引き起こす可能性があります。

逆流
排気ファンが故障したり、ダクトの接続が不十分な場合、有害物質が作業場内に逆流し、健康被害を引き起こす可能性があります。

粉塵爆発
粉塵を扱う場合、集塵装置の不備や清掃不足により粉塵爆発が発生する可能性があります。

適切な運用

局所排気装置を安全かつ効果的に運用するためには、以下の点に注意する必要があります。

定期的な点検・清掃
専門業者による定期的な点検・清掃を行い、装置の機能を維持する必要があります。

作業環境の監視
有害物質濃度を定期的に測定し、作業環境が安全基準を満たしていることを確認する必要があります。

作業員の教育
作業員に対して、局所排気装置の仕組み、使用方法、注意事項などに関する教育を行う必要があります。

まとめ

局所排気装置は、作業者の健康を守るために重要な役割を果たします。
適切な選定、設置、運用に加えて、定期的な点検・清掃、作業環境の監視、作業員の教育などを行い、安全で快適な作業環境を実現しましょう。


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