配管ってどんな種類があるの？

ふだん私たちが何気なく使っている水やガス、エアコンの冷暖房。これらはすべて、建物の中にある「配管」という管を通って届けられています。配管は床の下や壁の中、天井の裏などに隠れていることが多く、普段の生活ではあまり意識しないかもしれません。
でも、もし配管がなかったら、水もガスも使えず、お風呂もトイレも大変なことになってしまいますよね。
そこで今回は、暮らしに欠かせない「配管」について、ご紹介します。

配管ってなに？

配管とは、建物の中や地面の下に張りめぐらされている、“水やガス、冷媒などを通す管”のことです。
たとえば、キッチンで水を出したり、お風呂でお湯が出るのも、トイレの水が流れるのも、すべて配管がつながっているからこそ可能になります。
また、ガスコンロで料理をしたり、エアコンから冷たい風が出るのも、実は見えないところで配管がしっかり働いてくれているからなんです。まるで血管のように、建物の中をぐるぐると張りめぐらされていて、必要な場所に必要なものを運んでくれている存在なんです。

配管にはどんな種類があるの？

ひとことで「配管」と言っても、通すものや使う場所によって、いくつかの種類に分かれます。

水道用の配管

きれいな水をキッチンや洗面台、お風呂などに届けるための管です。

排水用の配管

使い終わった水や汚れた水を建物の外に流すための配管です。においや汚れに強い素材が使われます。

ガスの配管

ガスコンロや給湯器などにガスを送るための管で、火を扱うため安全性がとても重視されます。

エアコンの配管

室外機と室内機をつなぎ、冷媒（熱を運ぶ特殊な液体や気体）を通すための配管です。

配管の選び方は用途によって違う？

配管は、何を通すかによって素材・太さ・形などが異なります。
水道配管には、サビにくく長持ちする素材がよく使われます。昔は鉄の管が主流でしたが、今ではプラスチック（樹脂）製やステンレス製が多くなっています。
排水配管は、においや汚れ、化学薬品などに強い素材が選ばれます。また、地中に埋めることも多いため、壊れにくさも重要です。
ガス配管は、少しの漏れでも事故につながるため、火に強く、ガス漏れを防ぐ構造や接続方法が採用されています。
エアコン配管は、冷媒を通すため、温度変化に強く、気密性や耐圧性が高い素材が使われます。極端な暑さや寒さでも安全に使えることが求められます。

配管の素材にはどんなものがあるの？

配管に使われる素材もさまざまです。それぞれにメリット・デメリットがあるので、目的に応じて使い分けられています。

塩ビ（PVC）

軽くて安価、サビない素材です。排水管や雨どいなどに使われます。ただし、熱に弱いため、給湯には適していません。

耐熱塩ビ（CPVC）

塩ビより熱に強く、給湯設備などに利用されます。ただし、日本の住宅ではPEX管の方が主流になりつつあります。

PEX管（架橋ポリエチレン管）

柔らかく曲げやすく、寒さにも強いため、水道やお湯の配管に近年多く使われるようになりました。住宅の新築やリフォームでもよく採用されています。

ステンレス配管

とても丈夫でサビに強く、長く使える素材です。コストが高いため、水道本管ではあまり使われませんが、建物内の配管には適しています。

銅管

給湯に適していて、熱や菌に強く衛生的な素材です。昔はよく使われていましたが、加工の難しさから今では使用が減少しています。

鉄管（鋼管）

重くてサビやすいため、住宅用途ではあまり使われませんが、延性鋳鉄管という改良された素材が今でも水道本管などで使われています。また、工場や高圧配管では今も活躍しています。

まとめ

配管は、毎日のくらしを支えてくれている大切な存在です。
水道、ガス、排水、エアコン――これらが何のトラブルもなく使えるのは、見えないところで配管がしっかりとつながっているからなんですね。
普段あまり目にしない配管ですが、家を建てるときやリフォームを考えるときには、とても重要なポイントになります。ちょっとした水漏れやにおいのトラブルも、配管の仕組みを少し知っておくだけで、原因がわかりやすくなるかもしれません。
暮らしを見えないところで支える「縁の下の力もち」、それが配管です。

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