空調設備と聞かれてもいまいちピンとこないと思います。
今回はそんな空調設備とは何かをご紹介します。
空調設備とは
空調設備は、「空気調和設備」を略しています。
建物空間の空気の温度や湿度、気流速度、清浄度(二酸化炭素や粉じん、異臭など)、圧力を利用目的に応じて調整する設備です。温度、湿度、空気清浄度などの室内環境が悪化すると快適性を損なうだけではなく、人体へ悪影響を及ぼすこともあります。
快適な室内環境の確保と維持を調整するためにも空調設備は大切です。
空調設備は、空調方式を大きく「中央熱源方式(セントラル空調方式)」と「個別分散方式」の2つに分けることができます。
また、調整する対象と目的によって、大きく「保健用空調設備」と「産業用空調設備」に分かれます。
中央熱源方式(セントラル空調方式)
建物の空調を建物全体で集中管理している空調です。1つの空調機器から各階すべてを暖冷房する方式で、大規模の建物に多い方式です。
ボイラーや冷凍機等の熱源機器を1か所に設置をし、冷温水を空気調和機に送水して建物全体を空調します。
メリット
建物全体の運転管理を一か所で行うことができます。また、各部屋に空調機を設置しないのでフィルター掃除などのメンテナンスの手間が少なく済みます。
デメリット
フロアやエリアごとに空調の入切や温度調整ができません。さらに、一定の時間になると建物全体の空調が止まることが多いです。
また、ダクトスペースが必要になります。
個別分散方式
メリット
フロアやエリアごとに入切や温度調整をすることができます。また、時間外の勤務でも使用箇所のみ運転ができます。
デメリット
個別に設備を設置する必要があるため、室外機などを設置するスペースが必要になります。また、中央熱源方式の寿命が約30年のところ個別分散方式は、約10年と短いです。
保健用空調設備
保健用空調設備とは、オフィスで仕事をするときに使う冷暖房や換気など在室している人の快適性や健康維持を目的に行う空調のことです。
一定の条件を満たす施設(※)では、建築物の衛生的環境の確保に関する法律によって、保険空調の実施時に下表の基準が定められています。この基準を満たす運用が公衆衛生上求められていますが、換気設備のみが設置されている場合は、温度と相対湿度は適用外となります。
百貨店、図書館、美術館、博物館、事務所、旅館、学校などに使用される建築物で、主に延床面積が3,000m²以上のもの。学校では8,000m²以上
建築物環境衛生管理基準
項 目 | 管理基準値 | 備 考 |
---|---|---|
温 度 | 17℃〜28℃ |
|
相対湿度 | 40%〜70% | 機械換気設備のみを設置している場合は適用外 |
気 流 | 0.5m/s以下 | |
二酸化炭素 | 1,000ppm (100万分の1,000)以下 | |
一酸化炭素 | 10ppm (100万分の10)以下 | 外気が既に 10ppm 以上ある場合は 20ppm 以下 |
浮遊粉じん | 0.15mg/m³以下 | |
ホルムアルデヒド | 0.1mg/m³以下 | 機械換気設備のみを設置している場合は適用外 |
空調設備に関するエネルギーがオフィスビルの一次エネルギー消費量の約半分を占めており、省エネルギーを実現しながら快適性を維持することが大きな課題となっています。
産業用空調設備
産業用空調設備とは、精密機械工場のクリーンルームなど産業用途に使用されている空調のことです。
機械部品は、精密な部品などで作られています。なので、製造する過程では厳密な温度や湿度の管理、清浄な空気環境が求められています。
また、工場内で作業する人たちは労働量が多く代謝量も多くなります。さらに、夏季などはとても暑くなるため空調によって適切な環境を維持する必要があります。
産業用空調設備は、工場で生産されている製品の品質維持や作業をしている人たちの労働環境の維持、研究施設でおこなう検査や分析精度の安定化などを目的としています。
なので、制御対象や用途によって要求される空調条件の目標値や制度は、保健用空調設備とは異なっています。
空調設備についてご紹介しましたが、業務用エアコンを設置する際に参考にしてみてください。
弊社は、名古屋で空調機の設置・点検・修理などを行っております。今まで現場で培ってきた知識と経験から最適な能力(馬力)を選定させていただきます。